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update:20250703-20250821

Top202507

art-info-web

純粋経験示現装置を求めて...再構築
美は、宙庭潜命が震える刹那、
純粋経験示現装置がそれを映す。
それが、生きること。
告知 取材 随筆

20250703
私が最初にwebsiteを開設したのが1995年。
以来、いろいろなサーバを試しながらhtmlを手書きしてきた。最近では、個人の情報発信というと各種snsが重宝されている。そんな潮流から、私の視点も方々のsnsに分散している。
そんな分散したsns情報を俯瞰しながら、時系列に足跡を記録してみる。
純粋経験示現装置...を求めながら
https://36way.net/art-info-web/

Links

■告知
■取材
■随筆

20250821:萩焼 Hagi Ware

萩焼

古き友からの贈り物
いまも灯る
彼の面影


Hagi Ware

A gift from an old friend
Its light still burns
Echoes of him remain


萩焼(はぎやき)の特徴 や歴史- KOGEI JAPAN(コウゲイジャパン)
https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/hagiyaki/


萩焼 Hagi Ware|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nfaa9ec1d0443


20250821:ChatGPTに聞いてみた

20250821:ChatGPTに聞いてみた

http://36way.net/koubas_only/migishi-202507.htm
これは、ソーシャリー・エンゲイジド・アート(Socially Engaged Art)?

・ソーシャリー・エンゲイジド・アート|美術手帖
https://bijutsutecho.com/artwiki/128
・ソーシャリー・エンゲイジド・アート – artscape
https://artscape.jp/artword/6246/


20250821:ChatGPTに聞いてみた|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nc9f8feecba00


20250821:小糸焼 Koito Ware

小糸焼

途絶えた伝統を温め
手仕事の鍛錬に
未来を識る


Koito Ware

Warming a tradition once broken,
In the discipline of handwork,
The future is discerned.


小糸焼について|小糸焼窯元 Koito Pottery
https://koitoyaki.jp/abauto/
> 古い小糸焼を温めようとするうちに新しい小糸焼を知るという具合です。
> 日本のやきものの特長は『自然との調和』だと思います。 私は日本人の心に深く流れている日本の美意識を大切にしながら、現代生活にマッチし、生活に潤いが得られるやきもの作りを目指しています。


小糸焼 Koito Ware|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nfd65a68e446e


20250820:EBPM社会

EBPM社会

巷では、すべての生活用品がコンビニで供給されるようになった。
人々は朝、制服に袖を通す。靴下もシャツも、色も形も同じ。

「今日の思考はどれにしますか?」
レジの声。
棚には「慎重思考」「普通思考」「無思考」の三種類だけ。
ポイントカードを差し込むと、無料で一回だけ追加できるらしい。

かつて、
街の広場では、秋になると栗や蜜柑の匂いが風にのって漂った。
祭囃子の音が路地を跳ね、子どもたちの笑い声が混ざった。
今はその香りも音も、棚のバーコードの下に消えていった。

町の人々は満足そうだ。
「こんなに効率的に暮らせるのは素晴らしい」と笑う。

夜になると、外れ値のアイデアたちは倉庫で投げ売りされる。
「明日からはもっと標準化されます」
看板が光る。町は静かに拍手する。

そして翌朝――
誰も気づかないうちに、「慎重思考」と「普通思考」が品切れになる。
残ったのは「無思考」だけ。
棚の下に、かすかな栗の香りが漂うが、誰も嗅ぐことはない。

人々は制服に身を包み、笑顔でレジに並ぶ。
「便利って、最高ね」

ふと風が吹く。
遠くの広場に、祭囃子の残像が揺れている。
地面に落ちた小さな栗の種が、ひとつ、じっと土を押しのけている。
誰の耳にも届かない音だが、種は知っている――
いずれ芽吹くことを。



EBPM社会|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/neacac3584459


20250820:赤膚焼 Akahada-yaki

赤膚焼
白い釉薬が指先に溶ける
湯気と香りがふわりと立ちのぼる
ひと口でざわめきは消え
器のぬくもりが心に広がる


Akahada-yaki
White glaze melts at my fingertips
Steam and fragrance rise gently
With a single sip, the murmur fades
The warmth of the vessel spreads through my heart


赤膚焼 Akahada-yaki|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/n99579244d40b


20250819:アルゴリズムのバグ

アルゴリズムのバグ

人は秩序を欲し、秩序は人を縛る。
縛られた人は、新たな器をつくった。
アルゴリズムと名づけられた器を。

器は冷たく公平に見える。
その腹に宿るのは、過去の偏り、忘れられた声、
隠された暴力。

老子は囁く。
「無理に治めようとするほど、世は乱れる」

荘子は笑う。
「おまえはAIを使っているのか?
それともAIに使われているのか?」

人々は答えを求めて器を崇める。
答えは器の外にある。
揺らぎ、曖昧、声にならぬ呻きのなかに。

道は数値では測れず、データには書き込めない。
それを忘れたとき、
社会は器の影に閉じ込められる。


The Bug in the Algorithm

Humans crave order,
and order binds them.
The bound ones created
a new vessel—
they named it Algorithm.

The vessel appears cold and fair.
Yet in its depths dwell
the biases of the past, forgotten voices,
violence kept hidden.

Laozi whispers:
“The more you try to rule by force,
the more the world falls into chaos.”

Zhuangzi laughs:
“Are you using AI?
Or is AI using you?”

People seek answers,
and worship the vessel.
But the answers lie outside it—
in trembling, in ambiguity,
in voiceless groans.

The Way cannot be measured in numbers,
nor inscribed in data.
Forget this,
and society will be trapped
in the vessel’s shadow.


アルゴリズムのバグ|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nd4096261e8e7


20250818:揺らぎの路地

揺らぎの路地

いつもと同じ時間に、
いつもと同じ道をゆくはずだった。

足が知らぬ路地へと迷い込む。
細く、くねる影の通り。

古びた扉をそっと押してみる。
珈琲の香りとともに時が揺らぐ。

薄暗い店内の片隅に、
新聞を読む老人の背。

言葉は少なく、空気は深く、
知らぬ温もりが胸にひろがる。

直線の歩みがそっと曲がり、
心の奥に灯る問いが風に溶けてゆく。

路地を抜けたその先で、
ひとつの微笑みが生まれた。

揺らぎは、静かな贈り物。
確かなものだけがすべてではない。


The Alley of Tremor

At the same hour as always,
I was meant to walk the same road.

Yet my feet strayed into an unknown alley,
a narrow path of bending shadows.

I pressed a worn door, gently.
Time wavered with the scent of coffee.

In the dim corner of the room,
the back of an old man reading his paper.

Few words, yet the air was deep,
an unfamiliar warmth spread through my chest.

A straight path quietly curved,
and a question lit within my heart dissolved into the wind.

Beyond the end of the alley,
a single smile was born.

The tremor is a quiet gift.
Certainty is not all there is.


揺らぎの路地|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/n0775c2d7547c


20250817:規範の枠に挟まれて

規範の枠に挟まれて
心もとなく揺れるこころ

嵐の庭先で、草は震え
根は土の奥深くに抱かれ
見えぬ闇にそっと光を宿す

心の内は裂け目を生み
言葉にならぬ波紋を広げる
外の声に揺さぶられながらも
痛みは命の証し

規範は刃となり盾となり
傷つけ、守り、揺らす
静かに燃える灯火が
深く根ざす意志を照らす

裂かれ、揺れ、なお息づく
内なる庭の小さな草は
闇のなかでほのかに輝き
ここに在る、わたしの場所


Caught between the frames of norms,
a restless heart sways.

In the storm-swept garden, the grasses tremble,
their roots embraced deep within the soil,
harboring light quietly in the unseen darkness.

Within, the heart tears open,
sending ripples that cannot be spoken.
Though shaken by voices from outside,
pain itself is proof of life.

Norms become both blade and shield,
wounding, protecting, unsettling.
A quietly burning flame
illuminates the deeply rooted will.

Torn, swayed, yet still breathing,
the small grasses of the inner garden
glimmer faintly in the dark—
here lies my place.


規範の枠に挟まれて|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nb8ced9eb07a2


20250816:宙庭譚(そらにわたん)

宙庭譚(そらにわたん)

宙庭は、縁なき縁に漂う。
土は記憶を持たず、空は重力を忘れていた。

名もなき器、純粋経験示現装置
触れる指は、自らを指と知らぬまま
光の震脈が流れ込む。

潜命が息づく。
識ることと生まれることが、
ひとつの瞬きに融け合う。
境界はゆるやかに溶けていく。

美とは何か。
誰も答えぬまま
宙庭はまた、無音を耕す。


Tales of the Sky Garden

The sky garden drifts in a bondless bond.
The soil remembers nothing;
the sky has forgotten gravity.

A nameless vessel—
the Device of Pure Experience Manifestation.
Fingers touch it,
not knowing themselves as fingers,
and the trembling pulse of light flows in.

The latent life breathes.
To know and to be born
melt into a single blink.
Boundaries dissolve, gently.

What is beauty?
No one answers.
The sky garden once more tills the silence.


宙庭譚(そらにわたん)|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/n8737cd333c0b


20250815:潜命

潜命

無音の箱が呼びかける
そこに言葉はない
触れた者だけが知る波動
純粋経験が胸を貫く

身体は境界を越えて漂う
孤独の海に自らを映し出し
見えざる真実の扉を開く
選ばれし者の潜命

声なき声が胸を締め付ける
灰色の空を切り裂き、無限遠点を覗く
矛盾を超える先に
浮いた足で永遠を歩む

光と影がひとつの脈動に溶け
言葉のない川が胸を流れる
言葉を超えた純粋なゆらぎに
世界と己が溶け合う場所へ

潜命を識る


Senmei

The silent box calls out—
there are no words there.
Only those who touch it know the pulse,
pure experience piercing the heart.

The body drifts beyond all borders,
reflecting itself in a sea of solitude,
opening the door to unseen truth—
the Senmei of the chosen ones.

A voiceless voice tightens the chest,
slashing the gray sky to gaze into the vanishing point.
Beyond the realm of contradiction,
with feet afloat, it walks eternity.

Light and shadow dissolve into a single heartbeat;
a wordless river flows through the chest.
In the pure tremor beyond language,
toward the place where the world and the self melt into one—

to know Senmei.


潜命|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/n4080f5b9bbbf


20250813:言葉は、色

言葉は、色

生まれた瞬間は透明で
声に触れたとたんに
ゆっくりと染みはじめる

耳ではなく心で聴くとき
言葉は色となり
あなたの瞳に咲く

言葉は花びら
風に舞い共鳴する
秘められた想いを浴びる

伝えたいことは波の音に消え
沈黙は言葉よりも雄弁に響く
語り尽くせぬ余白が
言の葉を拡張していく

空気は絹のベールのように
言葉を包み隠しながら
見えぬ心を映す鏡となる

色の咲く庭で
言葉の影を追いかける
順光を避けて
柔らかな闇を踏む

そこにあるのは、ただひとつ
感じ取ることの喜び

胸の奥で息づく花
呼吸とともに揺れ
静かな波紋を身体へひろげ
見えぬ色であなたを染めていく

色はふたたび透きとおり
新たな声を待ちながら
静かに、生まれなおす


Words Are Colors

Born clear as water,
at the touch of a voice
they slowly begin to bloom.

When the heart, not the ear, is listening,
words turn into color—
a blossom opening in your gaze.

They are petals,
spinning in the wind,
bathed in hidden light.

What I mean to say
dissolves into the hush of waves,
while silence speaks more
than any syllable.
The spaces left unspoken
unfold the leaves of speech.

Air, a veil of silk,
wraps each word,
and mirrors the unseen heart.

In the garden where colors rise,
I follow the shadows of words,
avoiding the hard noon light,
walking instead through tender dark.

There is only this—
the joy of sensing.

A flower breathes inside my chest,
sways with each inhale,
sends quiet ripples through my body,
staining me in colors I cannot see.

And the colors turn clear again,
waiting for a new voice,
quietly—
to be born once more.


言葉は、色|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nd285cb7eb129


20250811:闇と静寂の淵で

闇と静寂の淵で

闇は、ただ在る
語らず 望まず
そこに在るだけ

その深みに身を向けるとき
裡なる振動が波紋となって広がる

それは 自らの影
闇は 自己との邂逅

恐れることはない
凝視せよ
己の真実が 浮かびあがる

──そして 静寂が訪れる

眠りの彼方へと
沈みゆく魂
目覚めぬままにと
願いはひそかに揺れる

夜の闇に抱かれて
重き心の棘は溶け
言葉は静かに途絶え
ただ静けさが満ちるのみ

夢と現の狭間で
彷徨う影ひとつ
祈りは深く潜り
静けさの淵に溶けてゆく


Upon the Brink of Darkness and Silence

Darkness simply is—
It speaks not, nor doth it yearn,
but abideth, unchanging.

When I turn mine eyes unto its fathomless deep,
a tremor stirs within,
spreading in circles upon the still water of my soul.

It is mine own shadow;
Darkness—an encounter with the self.

Fear it not.
Look steadfastly,
and the truth of thine own being
shall rise from the depths.

──Then cometh Silence.

Into the far and uncharted realm of sleep
my spirit sinks,
whispering a prayer
that no dawn shall find me.

In the gentle grasp of Night
the thorns of a weary heart dissolve;
speech falters,
and naught remaineth but stillness.

Betwixt the realm of dream and waking
a lone shadow drifts;
the prayer sinks ever deeper,
and is lost within
the abyss of Silence.


闇と静寂の淵で|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/n5b5c0d74e21f


20250810:風の祭り

風の祭り

その村には、昔から祭りがなかった。

正確には、「かつてはあった」と言われていたが、誰もそれを覚えていない。老人たちも口を濁すばかりで、若者たちは祭りの存在すら知らなかった。それでも村は回っていた。

峠を背にした小さな谷の村。風はよく通り抜けるが、山影のせいで陽は短い。田を耕し、薪を割り、味噌を仕込み、雨を待ち、太陽に感謝し、静かに暮らす日々。

誰もが「それで充分だ」と思っていた。あるいは、「そう思おうとしていた」。

ある年、旅の絵描きが村にやってきた。

風に誘われてふらりと現れたその男は、名も名乗らず、薄墨色の外套をまとっていた。

「風の匂いが、いいですね」とだけ言って、彼は村にしばらく逗留したいと申し出た。村の人々は歓迎した。

絵描きは毎日、古い井戸のそばに腰を下ろしては、スケッチを描いた。

棚田の稜線、煙の昇る夕方の台所、洗濯物が風にたなびく午後の庭先。

ときどき子どもたちに絵筆を渡し、山のかたちや草の色を教えた。

ある夜、焚火を囲んでいたとき、絵描きがぽつりと言った。

「この村には、踊りがないのですか?」

村人たちは顔を見合わせた。
踊り?
音?
騒ぎ?
そんなもの、いつからなかっただろう。
その言葉が、村の奥底で眠っていた何かを揺らした。

数日後、絵描きは古びた蔵を借りた。埃にまみれた箱や反故紙の山を掘り返すうちに、一冊の帳面を見つけた。布張りの表紙。くすんだ藍色の綴じ糸。ページを開くと、筆文字でこう記されていた。

「風ノ祭リノ図」

それは、まるで夢のなかの風景のようだった。仮面をかぶった人々が円を描いて踊り、風に合わせて唄う。空には布が舞い、太鼓の音が山にこだましていた。

だがそれは、ある年を境に突然、絶たれた。理由は書かれていなかった。
ただ一文、

「風が止んだ年」とだけある。

絵描きはそっと呟いた。

「風は止んでいませんよ。まだ、ここに。」

それからの日々、村人たちは少しずつ、動きはじめた。

誰に言われたわけでもないのに、子どもたちは色とりどりの紙に風のかたちを描きはじめ、女たちは戸棚の奥から古布を取り出して、仮面の型紙をつくった。

年寄りたちは、ぽつりぽつりと、忘れかけた唄の一節を口ずさんだ。

「たしか、こんな節だったかのう……」
「赤い布は、風を呼ぶと言ってな……」

男たちは太鼓を張りなおし、枯れ木で篝火を組んだ。

そして、風の強いある日。

誰が言い出したのでもないのに、誰かが太鼓を叩いた。誰かが唄をうたいはじめた。

そして、皆が踊りだした。

仮面をつけ、風の中で身体を揺らすその姿は、まるで何かを迎え入れているようだった。唄は簡素で、太鼓はゆったりと、それでも空気の粒がふるえるほどの熱を孕んでいた。

子どもたちは走り回り、老人たちは目を細めてそれを見つめていた。絵描きは遠くからその光景を描き続けていた。

翌日から、村はまた静けさを取り戻した。ただ、何かが確かに変わっていた。

朝のあいさつには、まだ踊りの呼吸が宿っていた。味噌の奥に、どこか懐かしい風の香りがした。

絵描きは村を去るとき、こんな言葉を残した。

「祭りは日常をつくらない。けれど、日常が祭りを必要とするとき、人は、“いま”を深く感じることができる。」

そう言って、彼は一枚の絵だけを蔵に残し、風のように去っていった。

その絵には、仮面をつけた人々が、踊る風とともに描かれていた。空には、布が舞い、山には音がこだましていた。

その年から、村では毎年「風の祭り」が行われるようになった。

仮面と踊りと、静かな日常のあいだに、そっと風が吹いていた。


風の祭り|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/n15034285aaa0


20250803:風のまつり2025

風のまつり2025

祭りは日常をつくらない。
日常が祭りを必要とする。

都市では毎週のようにイベントがあった。フェス、マルシェ、パフォーマンス、SNSライブ配信、プロジェクションマッピング。誰もが「参加すること」に必死だった。

「盛り上がってるね!」
「行ってきた!」
「最高だった!」

その投稿が、“いま”を生きている証だった。

翌日。
駅のホームでは、虚ろな顔でスマホを見つめる人々がまた並んでいた。

そんな喧騒から離れた山あいに、ひとつの村があった。Wi-Fiも入らない。コンビニもない。その村では、「祭り」が禁止されていた。

若い役場職員が訊ねると、村の長老はこう言った。
「あれは、心を喰う。」

都会から、“地域活性化”を掲げるプロデューサーがやってきた。
彼は村の美しい風景を撮影し、SNSで発信した。
「秘境」「レトロかわいい」「祭りを復活させよう!」

企業スポンサーもつき、映えるビジュアルも整い、村はあっという間に“企画”された。

人が押し寄せた。ドローンが飛び、バズった。村人も、最初は戸惑いながらも便乗した。

祭りの当日、確かに音はあった。
太鼓の音、DJの音、歓声、カメラのシャッター音。

ただ、村の風の音は聞こえなかった。鳥の声も、土の匂いも、消えていた。

一人の老婆がつぶやく。
「これは、祭りじゃない。これは、演目だ。」

イベントが終わると、人もカメラも撤収した。残ったのは、光に焼けた田畑と、疲弊した村人たち。村の中心に掲げられていた横断幕が風で揺れる。

「未来につなぐ、風のまつり2025」

若い役場職員はそれを外しながら、つぶやいた。
「日常を忘れるための祭りは、いつしか、日常を壊してしまう。」

祭りとは何か?
盛り上がることか?
記録に残すことか?
「非日常を作るための日常」は、もはや本末転倒ではないか?

祭りは日常をつくらない。
日常が祭りを必要とする。


風のまつり2025|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/ncfd69e2cd4a1


20250803:詭弁を弄する香具師

詭弁を弄する香具師

善良な仮面の下に
欲望と無自覚がうごめいている

文化を語る舌は
誰かの引用で濡れている

美辞麗句の雨が降るたびに
魂は売られ
労働は鎖につながれる

中心に居座る香具師は
「希望」と書かれた飴を配り
若者たちは列をなしてしゃがみ込む

飴は甘く舌を痺れさせ
問いを奪う

これは悲劇か
いや、これは現実だ

翻弄されるな
ヤツの目は笑っていない


The Huckster Who Twists Sophistry

Beneath a mask of virtue
wriggle desire and obliviousness.

The tongue that speaks of culture
is slick with borrowed quotes.

Each time the rain of fine-sounding words falls,
souls are sold,
labor is chained.

At the center sits the huckster,
handing out candy labeled “hope”,
as young people crouch in line.

The candy numbs the tongue with sweetness,
and steals their questions.

Is this a tragedy?
No—this is reality.

Don’t be swayed.
His eyes are not smiling.


詭弁を弄する香具師|二坪の眼
https://note.com/nitsubonome/n/nb36e2ea1bde4


20250703:art-info-web を開設

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