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update:20231101

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公園のベンチ

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車窓

どこへ行くのだろう?この列車。わたしは進行方向に向かって窓際の席に座った。行き先も路線図も停車駅の案内もない。すでに列車は走っている。

列車に乗っているわたしは、かなりのスピードで移動しているはず。車窓の風景が動いている。手前の風景は猛スピードで流れる。遠くの風景はゆっくりと移動する。車内のわたしは座ったままで動かない。

実際には車窓の風景は動いてなんかいない。せいぜい風に揺れている程度だろう。動いているのは列車だけ。 わたしは列車に運ばれている。わたしもまた、動いているのか。動いていないのに動いているわたしに映る風景は動いている。

水平線は動かない。山の稜線は動かない。ガラス窓を隔てた向こう側の世界。

列車と並走する車は止まって見える。逆走する車は線となって消えていく。ガラス窓を隔てた向こう側の世界。

すべては車窓の中。

真夜中の公園は相変わらずベンチが点滅している。いくつかの灯りが消え、いくつかの灯りが点く。ベンチに座る人、ベンチを立ち去る人。そんな光景が遠く彼方にまで繰り広げられています。わたしのベンチもまた、彼方からは点滅するベンチのひとつとして映るのでしょう。

これを、ここに、置いてみたわ。
不思議なもんだね。
ただそれだけの幸せ。
わたしのポケットの中で。

2023/11/01