白い人が現れた。
白い人は、わたしのベンチに座った。
『
記憶の中で生きてる
記憶は上書きされる
記憶は過去のものではない
記憶は今に在るもの
そして、未来を描いている
』
思考停止
記憶の断片
見えないものの記憶
記憶の五感が蘇る
失われた五感を補完する
五感と五感の交錯、そこに第六感が働く
記憶にない“所持品”が出てくる
真夜中の公園は相変わらずベンチが点滅している。いくつかの灯りが消え、いくつかの灯りが点く。ベンチに座る人、ベンチを立ち去る人。そんな光景が遠く彼方にまで繰り広げられています。わたしのベンチもまた、彼方からは点滅するベンチのひとつとして映るのでしょう。
ぼくを撫でる記憶
記憶を撫でるぼく
そして、白い人は消えた。
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