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update:20220608

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公園のベンチ

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なごり

公園の木々がざわめいた。

突風が吹いた。

掌の石ころが風にさらわれた。

一瞬のことだった。

石ころの感触は手の中に残っている。

温もりとともに。

真夜中の公園は相変わらずベンチが点滅している。いくつかの灯りが消え、いくつかの灯りが点く。ベンチに座る人、ベンチを立ち去る人。そんな光景が遠く彼方にまで繰り広げられています。わたしのベンチもまた、彼方からは点滅するベンチのひとつとして映るのでしょう。

ひとつの石ころが、わたしの中をすり抜けていった。

手の中に温もりを残したまま、掌には石ころが無い。有るものが無い。それは錯覚なのか...

そして、喪失感。

石ころは、やっぱり無いんだよ。

風景は流れていく。

残像と余韻が交錯する。

こんにちは。と、さようなら。

こんにちは。と、さようなら。

2019/06/12