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update:20250720-20250821


koubas_only

Socially Engaged Art
尾州の工場を描くアートユニット
We paint with respect the Koubas of Bishu.

特設ページ

一宮市三岸節子記念美術館
https://s-migishi.com/

企画展
のこぎり屋根アートと吉田家のレンガ工場
2025年 7月19日(土)~ 8月31日(日)






ごあいさつ

 繊維産業で栄えた一宮市域では、大正初期から昭和後期にかけて、何千棟もの「のこぎり屋根」の工場(鋸屋根工場)が建てられました。多くは織物をつくる工場で、三岸節子の生家である吉田家も、この地方で鋸屋根工場が姿を見せはじめた大正時代、珍しい煉瓦造の織物工場を建てました。昨今、鋸屋根工場の大半は当初の役割を終え、急速に数を減らしています。しかし市域にはまだたくさんの工場が残り、その姿は郷愁とともに往時の繁栄を思い起こさせてくれます。
 本展では、昔ながらの鋸屋根工場の姿を人々の記憶とともに作品や映像に残す活動をしている「Koubas Only」のお二人の作品とともに、節子の父や兄が経営し、その成功と失敗が少女時代の節子に大きな影響を及ぼした吉田家の工場について、当時の貴重な写真を中心にご紹介します。あわせて、尾西市絵画公募展(2001〜2004)の入賞作品の中から鋸屋根を描いた作品を展示します。
 最後になりましたが、本展開催にあたりご協力いただいた関係各位に厚くお礼申し上げます。

 2025(令和7)年7月

「のこぎり屋根」について

  1. 「のこぎり屋根」のかたち
     右ページ写真①のような「のこぎりの歯」に似たギザギザの屋根を「鋸屋根」と呼びます。「鋸屋根」は、傾きが緩やかな長辺と傾きが急(または垂直)な短辺からなり、短辺には外光を取り込む高窓が付いています。「鋸屋根」の建物では、ギザギザの1つ分を「連(れん)」と呼びます。連の数は、建物の大きさによって異なり、1連のものから10連以上のものまで存在します。写真①では、4連分が写っています。
  2. 「のこぎり屋根」とは?
     「鋸屋根」の建物は、機械を稼働させたり作業を行ったりするための「工場」として建てられました(鋸屋根工場)。「鋸屋根」は、連ごとに採光用の高窓があるため、建物中に外光が行きわたり、明るい環境下で作業を行うことができます。(右ページ写真②参照)
     一宮市域の鋸屋根工場の多くは、繊維関係の工場として建てられましたが、なかでも「機屋(はたや)」と呼ばれる織物を生産する工場(織物工場)が多くありました。織物工場には、規模に応じて、糸を織って織物をする機械(織機)や、織機で使う糸を準備する機械(製織準備機)などが設置されていました。三岸節子の父や兄が経営した吉田織産合資会社工場も織物工場でした。
  3. 「のこぎり屋根」の歴史
     鋸屋根工場は、1820年代後半にはイギリスで建てられ、日本では1883(明治16)年に建てられた大阪紡績株式会社三軒屋工場が最初期とされます。大阪紡績の鋸屋根工場には、綿から糸をつくるイギリス製の機械(紡績機)が置かれていました。
    一宮市域で初めて鋸屋根工場が建てられた時期は分かっていませんが、織物生産が盛んだった旧起町では、吉田織産工場をはじめとして、大正期から鋸屋根工場が建築されました。

第1章 のこぎり屋根アート

 一宮市内で、のこぎり屋根工場の姿を人々の記憶とともに作品や映像に残す活動をしている「Koubas Only」の作品を紹介します。
 コリン・ラムは、一宮市内ののこぎり屋根工場を自身の足で探索し、その一つ一つのユニークな姿を、イギリスで学んだアートスキルを生かし鮮烈な色づかいで描き出しています。それらは季節や天候の移り変わり、またその時々に自身が抱いた思いにより様々なタッチで描かれます。一宮市出身の宮田菜津美の水彩画は工場への暖かな思いと郷愁にあふれており、作品の一部には、自身が育った工場の廃材や「ガラ紡」糸の生地が額装に用いられ、地元尾州の工場や伝統への強いこだわりを示しています。
 そして今回の展覧会に合わせて制作された二人の共作である油彩画の大作には、彼らが「ロリポップピーポー」と呼ぶカラフルな人々に囲まれた工場が、誇らしげな姿で描かれています。
 彼ら独自の視点で捉えられた工場の作品からは、一宮の人々の暮らしとともにあるのこぎり屋根工場への深い愛着が伝わります。

第2章 のこぎり屋根のある風景-尾西市絵画公募展入賞作品より

 尾西市(現・一宮市)では、2001年から2004年まで、「尾西市絵画公募展」(2004年は「尾西市絵画・写真公募展」)と称し、木曽川周辺の風景とそのまちなみを描いた絵画や写真を募集し、当館にて展覧会を開催しました。今回は、美術館所蔵となった入賞作品の中から、のこぎり屋根が描かれてた作品を紹介します。

第3章 三岸節子と吉田永三郎家の織物工場

 1905(明治38)年、三岸節子(旧姓吉田)は、愛知県中島郡小信中島村(後に起町、尾西市。現、一宮市小信中島)に生まれました。生家は代々の地主で、現在、美術館が建つ土地に屋敷を構え、敷地には本宅をはじめ、表門、二階建てや三階建ての蔵、庭園などがありました。1913(大正2)年、当時の当主であり、節子の父の吉田永三郎は、織物会社(吉田織産合資会社)を設立し、毛糸などを使用した和服用の織物を生産していました。
 第一次世界大戦を背景とした好景気の中、永三郎家は、織物業と毛糸などの売買で利益を上げます。長男の章義(あきよし)は洋服用織物の生産を手がけ、工場敷地には、煉瓦造の織物工場(鋸屋根工場)、事務所、煉瓦蔵など多くの建物が建築されました。永三郎家は裕福な生活を送り、節子は後年、当時のことを「時の成金といふ所謂百万長者になった」(「一つの道をゆく、私はなぜ絵を描くか」『黄色い手帖』)と記しています。
 しかし1920(大正9)年、戦後恐慌のあおりを受けて、一家は多額の負債を抱え、将来の家の名誉回復を誓います。絵を描くことに関心があった節子が、洋画家を志す大きな契機にもなりました。
 ここでは、節子が生まれ育った生家や、父や兄が経営した織物工場について紹介します。

関連イベント

  • おしゃべり鑑賞会(要予約)
    7月26日(土)午後2時〜3時
    • 20250802:Instagram-s.migishi.museum:
      > 先日、企画展会場で「おしゃべり鑑賞会」を開催しました。参加者の皆さんに好きな作品を1点づつ選んでもらい、順に感想などをおしゃべりしながら鑑賞して行きました。のこぎり屋根が一つだけの小さな工場に馴染みがある方や、絵の素早いタッチにシャトルの動きやご両親が忙しく働いていた姿を感じるなど、皆さんご自身の思い出を重ねて作品を見ているのが印象的でした。入口に展示しているKoubas Onlyの[Chimney Cloud Kouba]の手前の柵が少し空いているのは、どうぞ入ってきて!というメッセージ、という指摘にはなるほど〜と思いました。
  • Koubas Onlyによるワークショップ(要予約)
    「のこぎり屋根工場を描こう!」
    8月9日(土)
    子ども向け:午前10時〜11時30分
    高校生以上:午後2時〜4時
    • 20250810:Instagram-s.migishi.museum:
      > 企画展に出品しているKoubas Onlyが講師となって、ワークショップ「のこぎり屋根工場を描こう!」を開催しました。下書きの後、マスキング・インクで白く残す所をぬって、水彩絵の具でカラフルに彩色して行きました。展覧会の絵に刺激され、とても集中して制作し、みんなそれぞれ違う個性的で素敵な作品に仕上がりました!

  • Koubas Onlyによるアーティストトーク
    「のこぎり屋根工場と尾州の人々」
    8月16日(土)午後2時〜3時30分
    • 20250816
      > 今日は、Koubas Onlyのお二人によるアーティストトーク「のこぎり屋根工場と尾州の人々」を開催しました。
      > イギリス出身のコリンさんは、お父さんの影響で絵を描き始め、尾西で働くようになってのこぎり屋根工場を描き始めたこと、一宮市で生まれ育った宮田菜津美さんは、尾張弁や地元の人々をテーマに描く中でコリンと出会い、ユニットを始めたことなど、これまでの歩みをお話いただきました。講義室でのお話の後、展示室でギャラリートークも行っていただき、たくさんの方にご参加いただきました。
  • 学芸員によるギャラリートーク
    「節子の故郷とのこぎり屋根工場」
    8月23日(土)午後2時〜3時
  • ※期間中毎日
    • ぬってみよう!のこぎり屋根工場
      Koubas Onlyが描いたのこぎり屋根工場のイラストで塗り絵をしよう。

      ▼クリックして原画をダウンロードできます▼




    • 組み立てよう!のこぎり屋根の美術館
      三岸節子記念美術館の立体クラフトを組み立てます。
    • 「オリジナル缶バッジをつくろう!」
      のこぎり屋根工場の絵の入った缶バッジをつくります。

    • のこぎり屋根工場クイズ(全7問)
      展覧会を見ながらクイズを解いて、のこぎり屋根博士になろう!
    • ▼クイズをクリックすると、こたえがひらきます。▼




【23】Koubas Only
Chimney Cloud Kouba 煙突の煙のある工場
2024年 油彩、キャンバス 130.5×162.0cm
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Yellow bygone age. The tall pipes made their own clouds.
An overgrown path bathed in a million forgotten shadows.
過ぎ去った黄色い時代。高いパイプは雲を描いていた。
草木が生い茂った小道は、無数の忘れられた影に覆われていた。

Koubas Only(コウバズ オンリー)

イギリス(ハートフォードシャー)出身で一宮市に20年以上住み、地元尾州の伝統ある繊維工場への思いを強く鮮やかな色彩で描く芸術家コリン・ラムと、旧尾西市の繊維工場を営む家で生まれ育ち、尾州の工場と尾張弁をモチーフにした作品を手がける宮田菜津美によるアートユニット。のこぎり屋根の工場が持つ一棟一棟異なるユニークな魅力や地域性を、アートを通じて発信している。


アーティストトーク「のこぎり屋根工場と尾州の人々」

講 師: Koubas Only
日 時: 8月16日(土)午後2時~3時30分
参加費: 400円(1ドリンク付き)
申込み: 当日正午から観覧受付。当日の観覧券が必要。


MESSAGE

 一宮市内、特に旧尾西エリアの古い織物工場(より親しみを込めて『こうば』)をモチーフに制作活動を行っています。
 のこぎり形の屋根をもつ『こうば』は、尾州の繊維産業の発展と共に数多く出現しこの地域を支えてきましたが、昨今地元の景色から急速に姿を消しつつあります。こうした状況の中『こうば』の持つ美しさや誇りを一人でも多くの方に感じて頂くために数年前から活動を始めました。
 一見街並みに紛れ静かに佇む『こうば』は、それぞれユニークな特徴や空気感をもっており、その個性の源は、持ち主である家族の暮らしや業態、土地の形、歩んだ歴史などと密に繋がりがあります。また街へ繰り出すと、時折、未だ現役で鼓動のようなビートを刻む『こうば』に出会います。それを耳にする度、職人の魂と世界に誇る技術を象徴してきたこの建物は、この街の誇りであると強く感じます。
 今回の展示では、作品の一部に『こうば』の廃材や、味わいある「ガラ紡」糸の生地(木玉毛織提供)を額装に用いています。こうした素材からも『こうば』の雰囲気を感じていただければと思います。
 『こうば』をモチーフにした作品や様々なプロジェクトを通して、私たちの街の象徴的なこの建物に、少しでも興味をもっていただければ幸いです。

Koubas Only より



- 随時更新 -


ICC:街ネタプラス 放送予定
2025年7月29日(火曜日)
【放送時間】
毎日 17:00/19:00/21:00/23:00
火~金(前日再放送分) 7:00/9:00/11:00/13:00/15:00
土・日(総集編)8:00/17:00

ICCのYoutubeチャンネル
配信:2025年7月30日(水曜日)17時
※一週間限定公開


ICC:街ネタプラス 2025年7月29日(火曜日)放送


動画を見る
https://36way.net/koubas_only/migishi/ICC-20250729.mp4


I LOVE いちのみや

「美術館企画展『のこぎり屋根アートと吉田家のレンガ工場』」
一宮市広報「I LOVE いちのみや」vol 771 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rX48qKjG8iI

2025/08/11
のこぎり屋根工場の姿を残す活動をしているKoubas Onlyの作品や、のこぎり屋根の風景画、三岸節子の生家である吉田家のレンガ造りの工場などを紹介します。この夏、一宮の景色を象徴する、のこぎり屋根について学んでみませんか?



「こうば」の廃材とガラ紡糸の生地を額装に使用

映像
常時約15分上映
“こうばの骨”のお話
ーKoubas Onlyの想いー
The Story of "The Kouba's Bones".
And the origins
of the "Kouba's Only" art unit.





第2章 のこぎり屋根のある風景
尾西市絵画公募展入賞作品より

1.田中宏治

静と動を織りなす地
2001年 アクリル、布 
90.9×116.7cm
第1回尾西市絵画公募展最優秀賞(2001年) 館蔵

2.川合邦子

尾西の風 Ⅰ
2000年 ミクストメディア、紙 90.9×116.7cm
第1回尾西市絵画公募展入賞(2001年) 館蔵

3.川合邦子

音のある街 Ⅰ
2001年 ミクストメディア、紙 116.7×90.9cm
第2回尾西市絵画公募展入賞(2002年) 館蔵

5.山本邦明

機の音が聞える
2002年 アクリル、パネル 116.7×91.0cm
第2回尾西市絵画公募展入賞(2002年) 館蔵

4.磯村英男


2002年 岩絵具、綿布 
90.5×116.7cm
第2回尾西市絵画公募展最優秀賞(2002年) 館蔵

6.三森桂

機織る音のする街
2002年 油彩、キャンバス 
90.9×116.7cm
第2回尾西市絵画公募展入賞(2002年) 館蔵

7.大澤勝弘

BISAI
2002年 アクリル、紙 
116.7×90.9cm
第3回尾西市絵画公募展入賞(2003年) 館蔵

8.宮治綱

奏音
2003年 岩絵具、麻紙 
90.9×116.7cm
第3回尾西市絵画公募展入賞(2003年) 館蔵


第3章 三岸節子と吉田永三郎家の織物工場
発見された吉田家の織物工場?の煉瓦塊




第1章 のこぎり屋根アート
Koubas Only (コリン・ラム、宮田菜津美)


【26】Koubas Only

Teatime Kouba
ティータイム工場
2024年 油彩、キャンバス 162.0×130.5cm
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One last party before your final farwell.Your church-like ceiling shimmered and danced above the sounds of thoughtful visitors. The aroma of tea and sweet biscuits lingered in the air until the wrecking ball arrived early next morning.
Your beautiful green floor still has cake crumbs upon it when the ceiling opened up and came crashing down with the rain.
君との最後の別れを前に、お別れのパーティー。
教会のような天井は、思いやりのある訪問者たちの声に揺らめき、踊っていた。
翌朝早くに解体用の鉄球が到着するまで、紅茶と甘いビスケットの香りが漂っていた。
その美しい緑の床に、雨とともに天井が割れて崩れ落ちたとき、まだケーキのかけらが残っていた。


【28】Koubas Only

In and Out Kouba
工場の内と外
2025年 油彩、木パネル 115.5×115.5cm
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There lives more life in seeing the full tapestry.
The outside is what we view first.The inside is where life was experienced.
A cornucopia of smells and memories.
タペストリーの全貌を見る事で、もっと活き活きとした工場の人生を見ることができる。
外側は、私たちが最初に目にするところ。内側は、人が実際に生活したところ。
それは香りと思い出の宝庫。


【27】Koubas Only

Hands Kouba
手をつなぐ工場
2025年 油彩、キャンバス 162.0×130.5cm
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You stand proudly renovated on the supermarket road.Clean walls.
Not a trace of rust.Happy families with colorful bags walk daily by your old textile doors.
スーパーマーケットの通り沿いに、誇らしく改装された君は立っている。
壁はピカピカで、錆び一つない。カラフルなバッグを持った幸せな家族たちが、毎日あなたの古い繊維工場のドアの前を通る。


【25】Koubas Only

Sunset Kouba
夕焼けの工場
2024年 油彩、キャンバス 91.0×116.3cm
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You are a lighthouse of creativity.Now you weave dreams and bring people together.An inquistive ghost walks upon your old wooden floorboards.Eagerly watching the reincarnation.
あなたは創造性の灯台だ。今夢を紡ぎ、人々を結びつけている。
好奇心旺盛な幽霊たちは、あなたの古い木の床板の上を歩いている。
生まれ変わった姿を熱心に見守っている。


【24】Koubas Only

Gold Blossom Kouba
黄金の花の工場
2024年 油彩、キャンバス 91.0×116.3cm
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Your light on.The sound of machines can heard.
Your heart still pumps.Spakling petals fall upon your crown.
Natural confetti.
君の明かりは灯っている。機械の音が聞こえる
君の心臓はまだ動いている。きらめく花びらが君の冠に落ちる。
自然の紙吹雪。


【6】コリン・ラム

Pandora's Kouba
パンドラの工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 40.8×32.0cm
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Suddenly the boxes opened with a wave of memories.
突然、想い出の波とともに箱が開いた。


【1】コリン・ラム

Bisai Kouba
尾西の工場
2022年 水彩・パステル、紙 48.8×45.4cm
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This town has many beautiful dinosaurs.
They roar silently with broken teeth at the sky.
この街にはたくさくの美しい恐竜がいる。
彼らは折れた歯で、空に向かって静かに吠える。


【2】コリン・ラム

Autumn Kouba
秋の工場
2023年 インク・水彩・パステル、紙 39.5×54.3cm
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Yellow leaves hang on the branches and sweet birds sing
as the hot sunset fades in the west.Life is short.
黄色い葉は枝に揺れ、熱い夕日が西に沈むと、
鳥たちの甘いさえずりが聞こえてくる。人生は短い。


【3】コリン・ラム

Gyoza Kouba
餃子の工場
2023年 水彩・パステル、紙 31.8×40.8cm
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Evening breeze,someone was cooking dumplings for dinner.

夕方の風にのって、誰かが餃子を作る香りがした。


【4】コリン・ラム

Fence Kouba
フェンスのある工場
2023年 水彩・パステル、紙 24.1×27.0cm
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Time's sting is not so sharp!
You still look jolly with your old friend by your side.
時間の痛みなど大したことはない!
そばに古い友人さえいれば、君はまだ嬉しそうだ。


【5】コリン・ラム

Spring Storm Kouba
春の嵐の工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 32.0×40.8cm
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The smell of rain,the sound of frogs and electricity in the clouds.

雨の匂い、カエルの鳴き声、そして雲を電気が走る。


【7】コリン・ラム

Phoenix Kouba
不死鳥の工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 56.5×75.5cm
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A drop of blood.The trees swayed lazily in the breeze.
Roof tiles rattled like dry white bones.
一滴の血。木々は風にのんびりと揺れ、屋根瓦は乾いた白骨のように
ガタガタと音を立てた。


【8】コリン・ラム

Night-o-Kouba
夜の工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 37.8×45.2cm
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Halloween light shrouds your face.3 pumpkins and 17 candles
illuminate your path.
ハロウィーンの光があなたの顔を包み、3つのカボチャと17本の
キャンドルがあなたの道を照らす。


【9】コリン・ラム

Green Heart Kouba
緑のハートの工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 45.3×53.5cm
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Ivy and grass kiss orange rust.I envy your retirement island.

蔦と草がオレンジ色の錆にキスする。
引退後の島暮しのようなあなたが羨ましい。


【10】コリン・ラム

Doghouse Kouba
犬小屋の工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 56.5×75.5cm
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Bright green fuzzy mold grew on a neglected ball.
A dry bowl with a name was upside down.
鮮やかな緑色のふわふわとしたカビが打ち捨てられたボールに生え、
名前の書かれた乾いたボウルがひっくり返っていた。


【11】コリン・ラム

Fisherman's Kouba
漁師の工場
2024年 インク・水彩・パステル、紙 31.8×40.8cm
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From far away,the sound of cutlery on plates.
Three hours can feel like an eternity.
遠くから食器が皿にあたる音が聞こえる。
3時間がまるで永遠のように感じられる。


【12】コリン・ラム

Clockwork Kouba
時計仕掛けの工場
2025年 インク・水彩・パステル、紙 31.5×40.8cm
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The workers rejoiced as a team with yakitori.
Now your machines are deathly quiet.
作業員が皆で焼き鳥を楽しんでいた。
今、あなた方の機械は死んだように静かだ。


【17】宮田菜津美

古い工場の家
Old Kouba House
2024年 インク・水彩、紙 27.0×24.0cm
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日は沈みかけても、まだ小さく「かけくり機」が動く音がする。
母屋の扉から工場に行けるようにと、
はじめて考えられたのはいつの事なのだろう。
Even as the sun begins to set,the faint sound of the skewer machine can be heard.
Iwonder when it was first thought of being able to access Kouba from a door in the main house.


【15】宮田菜津美

工場と尾張弁のある風景 #01より
Owariben Kouba
2024年 インク・水彩、紙 24.2×33.3cm
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・あれアンタ やぁーっとかめやげぁ
 えれゃー おおにもつやねぇ
・天気んえぇうちに ま ちゃぁーっと けぁもん行って来たげぁ
 ほんで 袋ん忘れたもんだで ダンボールなり持ってけぁーって来たわ
 わしケチやで


【16】宮田菜津美

工場と尾張弁のある風景 #02より
Student Kouba
2024年 インク・水彩、紙 24.2×33.3cm
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・ちょっとアンタこれ持ってったって
・オレ今日はよ帰らなかんでムリや
・手にマメまで作っとるがー
・あーも はよしろ


【13】宮田菜津美

Yut@cafe
ゆたかふぇ
2023年 インク・水彩、紙 24.2×33.3cm
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繊維工場は生まれ変わって、日々たくさんの人が集い寛ぐ空間となった。
澄んだ北窓からは、やわらかな光が差し込む。
The textile Kouba has been reborn as a space where many people gather and relax
every day.
Soft light pours in through the clear windows on the north side.


【14】宮田菜津美

自転車工場
Bicycle Kouba
2023年 インク・水彩、紙 24.2×33.3cm
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夏の夕暮れ、瓦も踊るようなションヘル織機の重い振動が鳴り響く。
On a summer evening,the heavy vibration of the Schönherr loom reverberates,
making the tiles dance.


【21】宮田菜津美

天国の工場
Heaven Kouba
2024年 インク・水彩、紙 24.2×33.3cm
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解体された工場に行き先があるのなら、
我が工場は祖父と共にまた糸を巻いているのだろうか。
If there is a place for demolished Koubas to end up,
I wonder if our Kouba is once again winding thread with my grandfather.


【20】宮田菜津美

A memory of Sunset Kouba
夕焼けの工場の記憶
2024年 インク・水彩・アクリル・紙 45.5×38.0cm
(「こうば」の廃材とガラ紡糸の生地を額装に使用)
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工場の間の細道を、リコーダーが鳴り響く。
Recorders ring out along the narrow streets between the Koubas.


【19】宮田菜津美

To the inside Kouba
工場の「内」へ
2024年 インク・水彩・アクリル・紙 45.5×38.0cm
(「こうば」の廃材とガラ紡糸の生地を額装に使用)
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工場の“心臓”は、どこだろう。
解体される日まで、私は探し続けた。
Where is the "heart" of the Kouba?
I continued searching until the day it was demolished.


【18】宮田菜津美

Block Kouba
ブロック塀からの工場
2024年 インク・水彩・アクリル・紙 45.5×38.0cm
(「こうば」の廃材とガラ紡糸の生地を額装に使用)
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いつもの帰り道、背伸び歩きをして君に会える。
On my usual way home,I walk with my back straight and I see you.


【22】宮田菜津美

解体前夜
The nigth before demolition
2025年 水彩・パステル・マスキングインク・紙 57.0×76.0cm
(「こうば」の廃材とガラ紡糸の生地を額装に使用)
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工場には、神様がいるという。旅立つ神様、残る神様、昇った神様。
Someone says there are gods in Koubas.
The departing god,the remaining god,the ascended god.



- 鑑賞記録 -

20250809:laporteinternationalschool

🌟 簡単ワンフレーズ英会話 🌟〜絵を描くときに使うよ〜🎨

  • I painted this chimney using a piece of real Kouba.
    「本物の工場の一部を使ってこの煙突を描きました」
  • I put paint on it.
    「それに絵の具を塗りました」
  • I pushed it onto the canvas.
    「それをキャンバスに押し付けました」
  • I flipped it all over the canvas.
    「キャンバス全体に吹きかけました」
  • I flicked it onto the paper.
    「紙にインクをはじきました」
  • I had lots of fun painting it.
    「それを描くのはとても楽しかったです」
  • 🎨 みなさんもぜひ使ってみてくださいね♪

今回は、@kobas_onlyで活動中のラポルトのコリン先生と宮田菜津美さんの展覧会を見に行ってきました✨ アートのインスピレーションをたくさんいただきました!








中日新聞「尾州おりひめ物語」:20250711(金)
コウバに拍手を送りたい
のこぎり屋根愛する日英アートユニット
Koubas_Only(コウバズオンリー)


20250821:ChatGPTに聞いてみた
http://36way.net/koubas_only/migishi-202507.htm (このページ)
これは、ソーシャリー・エンゲイジド・アート(Socially Engaged Art)?


回答:

はい、これはまさに「ソーシャリーエンゲイジドアート(社会参加型アート)」の一例です。

展覧会の概要

「のこぎり屋根アートと吉田家のレンガ工場」は、2025年7月19日から8月31日まで一宮市の三岸節子記念美術館で開催された企画展です。この展覧会では、地元の歴史や文化、そして地域社会とのつながりを深めることを目的としたアート活動が展開されました。

Koubas Onlyの活動

展示の中心となったのは、アートユニット「Koubas Only」です。このユニットは、尾州地域の「のこぎり屋根工場」に焦点を当て、地域の歴史や人々の記憶を作品として表現しています。具体的には、イギリス出身のコリン・ラム氏と、一宮市出身の宮田菜津美氏が共同で制作した油彩画や水彩画が展示されました。

参加型のワークショップとイベント

展覧会期間中には、地域住民や来場者が積極的に参加できるイベントも多数開催されました。例えば、子ども向けと高校生以上向けのワークショップ「のこぎり屋根工場を描こう!」や、アーティストトーク「のこぎり屋根工場と尾州の人々」などが行われました。これらの活動を通じて、地域の歴史や文化への理解が深まり、参加者同士の対話や交流が促進されました。

地域とのつながり

また、展覧会では「のこぎり屋根工場クイズ」や「オリジナル缶バッジをつくろう!」など、地域の歴史や文化を学びながら楽しめる企画も実施されました。これらの活動は、地域住民や来場者が積極的に参加し、地域とのつながりを深めることを目的としています。

結論

この展覧会は、地域の歴史や文化を尊重し、地域社会とのつながりを深めることを目的とした「ソーシャリーエンゲイジドアート」の典型的な例と言えます。アートを通じて地域の人々が共に学び、感じ、考える場を提供することで、社会的な意識の変革やコミュニティの活性化が促進されました。


Q:これからのソーシャリーエンゲイジドアートのあり方?

A:

これからのソーシャリーエンゲイジドアート(以下 SEA)は、単に「社会的テーマを扱うアート」という枠を超えて、より多層的・多感覚的な関わり方が求められると思います。いくつかの方向性を整理すると:

  1. デジタルとリアルの融合
    現代はオンライン・オフライン双方の世界が複雑に絡み合っています。SEAも、地域ワークショップや公共空間での活動だけでなく、VRやAR、ソーシャルメディアなどを活用して、より広い社会層に関わる表現が可能です。 例:デジタル空間で地域の記憶や声を集め、物理的展示とリンクさせる。
  2. 参加者の主体性をさらに重視
    従来はアーティストが主導するプロジェクトが多いですが、これからは参加者自身が「共同作者」となる形が増えるでしょう。
    ポイント:
    参加者の声・経験を作品そのものに反映
    社会課題に対する「解決策の共同模索」を含む
  3. 持続性・社会的インパクトの重視
    一時的な展示やイベントで終わるのではなく、地域コミュニティや社会に長期的な影響を与える仕組みが求められます。
    例:アートを通した地域の空き家活用、教育プログラム化、環境保全活動との連携。
  4. 多様な価値観と倫理の尊重
    SEAは人々の生活や価値観に深く関わるため、文化的・社会的背景を尊重する姿勢が不可欠です。単に「社会問題をアート化する」だけではなく、参加者の声や経験を丁寧に扱う倫理観がますます重要になるでしょう。
  5. 感覚や身体性の活用
    これからのSEAでは、目に見える作品だけでなく、体験・感覚・身体を通じて参加するプロジェクトが増えるでしょう。五感や身体感覚を刺激することで、社会課題への理解や共感がより深まります。
    例:都市の音や匂い、手仕事の体験を通じて地域の歴史や文化を感じるプログラム。
  6. まとめ
    未来のSEAは、「参加者と社会がともに生きるアート」へと進化すると考えられます。単なる展示ではなく、社会との「共創」「対話」「持続可能な関係づくり」が核心になるでしょう。

「ソーシャリーエンゲイジドアート(Socially Engaged Art)」は、単に美術作品として鑑賞されるだけでなく、社会的な課題やコミュニティとの関わりを通じて実践されるアートのことです。時に「社会参加型アート」や「コミュニティアート」とも呼ばれます。

ポイントを整理すると:

  • 社会との関わり
    作品やプロジェクトが、特定の地域やコミュニティ、社会問題と直接関わることを重視します。観る人だけでなく、参加する人も作品の一部になります。
  • 参加型/協働型
    アーティストが一方的に作るのではなく、地域住民や対象となるコミュニティと一緒に制作・活動します。これにより、社会的な議論や意識の変化を促すこともあります。
  • 社会的・政治的テーマ
    貧困、人権、環境、移民、都市問題など、現実の社会課題をテーマにすることが多いです。アートを通して社会の「気づき」を作り出すことが目的となります。
  • 形態の多様性
    美術館やギャラリー内に限らず、公共空間やオンライン空間、日常生活の中で展開されることもあります。インスタレーション、ワークショップ、パフォーマンス、プロジェクト型のアクションなど、多様な形態を取ります。
  • 評価の基準が独特
    美術的完成度だけでなく、参加者や社会への影響、プロセス自体の価値が重視されます。
    例としては:
    住民と一緒に街の空き地をアートプロジェクトで活用する活動
    社会的マイノリティの声を作品化し、対話の場を作るプロジェクト
    パフォーマンスやワークショップを通して環境意識を啓発する活動