36way.netPage1:Index020:Koubas Only - 絵で愉しむ尾州工場と尾張弁

update:20240524-20240605

←前 次→

Koubas Only:Spring Exhibition
尾州の工場を描くアートユニット
絵で愉しむ尾州工場(コウバ)と尾張弁

会期:2024.5.24-6.6
会場:珈琲屋けやき 2階ギャラリー
https://www.instagram.com/p/C7V3hQxPiAn/?img_index=1



コリン・ラム みやたなつみ

工場って恐竜(きょうりゅう)みたい。

『ガッチャン』って、
どの街でも鳴ってると思ってた。

自転車で、
たくさんの面白い工場を探検しています。

子供の頃から見てきた
風景や街のひとたちは、
“特別”だって気がついた。

英国ハートフォードシャー出身。
2001年より一宮市に在住し、日本で10年以上に渡り作品を発表している。使用画材は主に、油彩・アクリル・木炭・版画・金箔・水彩・墨。

新鮮なスタイルとユニークな絵画を実現するために常に新しいテクニックを試し、自分の芸術を押し広げ続ける。

ここ数年は、特に尾西を代表する古い繊維工場に焦点を当てており、尾西地域の歴史において非常に重要な部分だと感じるこれらの工場が、徐々に失われつつある事に危機感を感じている。自らの描く絵画や素描を通じて、趣のある場所のいくつかを将来の世代のために保存することができればと、願いを込めて描き続ける。

愛知県一宮市出身。
「尾張弁のある風景」という、一宮地域で話される方言や独特のイントネーションを用いながら、そこにある人々の暮らしを描く。実家は元々、織物、ニットの小さな工場を営んでおり、幼少の頃から祖父母・父の働く姿を見つつ、「ガッチャン・ガッチャン」という織物の音が鳴り響く街で育つ。
近頃は工場の持つ芸術的な美しさや、老朽化により「存続か解体」という現実的な問題に直面している背景にも目を向けて、どのように一宮市の重要な歴史の一部である「工場」を未来へ繋げるべきかを模索している。まだ街に残っている、「現役の工場」「物置きの工場」「空き家の工場」「忘れられた工場」...
それらがかつて人の汗と共に稼働していた大切な時代を想いながら、未来へ繋げたいと思う。


展示風景

- 「詩的な物語」に迷い込む -








こども コウバ・ハンティング













コリン・ラムのものがたり みやたなつみのものがたり
尾西
Bisai
ある晴れた午後に君を見つけた。それ以来、僕の人生は一変した。
I found you on a sanny afternoon,and my life has never been the same since.
古い繊維工場(こうば)
Old Textile Factory
12年前、僕の初めての“工場(こうば)冒険”
First KOUBA adventure. from 12 years ago.
尾西の工場(こうば)
Bisai Kouba
この町には“美しい恐竜”がたくさんいる。
This town has many beautiful dinosaurs.
のこぎり2
Nokogiri2
恐竜の背のように、力強い。
Strong like a dinosaur's back.
NOKOGIRI 2
Nokogiri2
優しくみんなを見守る、おじいちゃん。
The kind & nurturing Grandfather.
のこぎり2
Nokogiri2
創造的な後光が、君を包む。
A creative halo surrounds you.
工場(こうば)
KOUBA
君の中の機械は眠っているけれども、君は今も誇らしげに立っている。
Your textile looms are silent now. but you still stand proudly.
工場(こうば)ー1
KOUBA-1
外で何年も過ごす程に、あなたはもっと美しくなる。
Time only makes you look more beautiful.
工場(こうば)ー85
KOUBA-85
あなたの魂は、明るく輝く。
Your soul shines brightly.
3人の天使がいる工場(こうば)
3 Angels Kouba
なんでもない街角に、美しい天使を見た。
Beautiful angels in a ordinary street.
ゴールデンウィークの工場(こうば)
Golden Week Kouba
街は賑やかになったけど、君は忘却の中で錆び続ける。
The streets became busy. but you continued to rust into oblivion.
苺の工場(こうば)
Strawberry Kouba
くたびれた壁のペンキが、新鮮な果実の色になった。
The tired paint became a fresh fruit's hue.
野生の工場(こうば)
Wild Kouba
母なる自然は、あなたの疲れた錆びた骨を優しく包んでくれる。
Mother Nature cradles your tired old rusty bones.
日没の工場(こうば)
Sunset Kouba
あなたの後ろで、空は燃えるようなバレイになった。
The sky became a ballet of fire behind you.
春の嵐の工場(こうば)
Spring Storm Kouba
雨の匂い、カエルの鳴き声、そして空を電気が走る。
The smell of rain. the sound of frogs and electricity in the sky.
草の工場(こうば)
Grass Kouba
風が草をかき分ける音は、まるでスタンディングオーベーションのよう。
The wind in the grass sounded like a standing ovation.
秋の工場(こうば)
Autumn Kouba
黄色い葉は枝に揺れ、熱い夕日が西に沈むと、鳥たちの甘いさえずりが聞こえてくる。ーー人生は、短い。
Yellow leaves hang on the branches. sweet birds sing as the hot sunset fades in the west. Life is short.
ゴムの工場(こうば)
Rubber Kouba
背の高い影が午前中ずっと街路を飛び回っていた。
Tall shadows bounced around the streets all morning.
餃子の工場(こうば)
Gyouza Kouba
夕方の風にのって、誰かが餃子を作る香りがした。
Evening breeze. someone was cooking dumplings for dinner.
ピアノの工場(こうば)
Piano Kouba
風にのって、男性がピアノを弾く音が聞こえてきた。
I could hear a man playing the piano from close by.
秘密の工場(こうば)
Secret Kouba
緑豊かな庭にひっそりとたたずみ、ミツバチたちは、役目を終えた君の影で忙しそうに蜜を集める。
Standing quietly in the green. bees busily collected nectar in your retired shadow.
ポスターの工場(こうば)
Poster Kouba
コウバは政治的なピンボードになった。
The kouba became a political pinboard.
火事の工場(こうば)
Kaji Kouba
早朝の炎があなたの姿を包み込みました。空から黒檀の雪のように工場の灰が降り注ぎました。
Early morning flames engulfed shape. Kouba ash fell from the sky like ebony snow.
パンドラの工場(こうば)
Pandora's Kouba
突然、想い出の波とともに箱が開いた。
Suddenly the boxes opened with a wave of memories.
玉ノ井工場(こうば)
Tamanoi Kouba
君は今、工場(こうば)の天国にいる。でも、君の思い出は生き続けるよ。
You are now in KOUBA heaven. but your memories live on.
彦ちゃん
Hiko-chan
玉ノ井の壁の落書きからインスピレーションを得た作品。
Inspired by wall graffiti found at the Kouba in Tamanoi.
「彦ちゃんのモデル」…実際の工場の壁にあった素敵な落書き。女工さんが描いたのかな?工場オーナーさんが命名。


さようなら、私の工場(こうば)
実家の工場解体を前に、私が初めて水彩画に挑戦した作品。建物に囲まれている為全景を見ることができない、心に映る私の工場。
かせくり工場(こうば)
実家の工場が現役で稼働していたときの様子。小学生だった私を毎日迎えてくれた、やさしい祖父母です。
天国の工場(こうば)
もしも解体された工場に行き先があるのなら、実家の工場は祖父母と共にまた糸を巻いているのだろうか。いつも軒先から空を眺めていた祖父は再会を喜び、同じように過ごしているかもしれない。
白ノ門
玉ノ井の工場に訪れる人を迎え入れる、荘厳な門。美しい「白」が選ばれた背景には、どんな想いがあったのだろう。
解体の日を待つ、工場(こうば)
綺麗に片付けられた何もない工場。電車が見える大きな透明の壁からは柔らかな陽がさし、生まれ育った景色に別れを告げているようだった。
自転車工場(こうば)
夏の夕暮れ、瓦も踊るようなションヘルの重い振動が鳴り響く。

- よりすぐりの尾張弁 -























『Kouba Guardians』
期間中にシンボリックな新作登場
可能性は、主体性が切り拓く




降りてくる
みやたなつみさんはそう語る
それが筆を執るとき